== maximaの初歩的な操作8・・・多項式・分数関数の不定積分 ==
○Xmaxima,wxMaxima のインストール方法,基本操作については[この頁]参照
○Xmaximaでは,数式がアスキーアート風に出力されることが多い.wxMaximaでは数学で通常用いる記号に近い形で結果が示される.以下ではwxMaiximaを用いた場合の積分計算の例と答を示す.

○wxMaximaで関数の不定積分を求めるには,メニューから[微積分]→[積分]を選び,対話型メニューに「関数」「変数」を入力して(定積分にチェックを付けないで)「OK」ボタンを押すと
integrate(..., x)
のように,入力すべき式が書き込まれるようになっている.画面上で (%inn) の右にある入力欄を直接書き換えてもよい.

 入力に当たっては,2xなどの書き慣れた記号を2*xと書かなければならないことに注意しましょう.
 以下においてはいずれも積分定数は省略されている.


■教科書や問題集でよく出会う公式
【多項式・分数関数の不定積分】
(1) 
○wxMaximaでの入力例
integrate(x^n, x);
このとき,Is n equal to -1?と表示される.ここでは,No だから n を入力してShift+Enterすると次の「公式」が得られる.
○結果
積分定数は省略される[以下同様])

(2) 
○wxMaximaでの入力例
integrate(x^(-1), x);…(2)
○結果

※この問題のように結果が対数関数になる場合に,真数に絶対値記号を付けて表示するには,(2)を実行する前にあらかじめ次のコマンドを実行しておき,logabs変数にtrueを代入しておく.こうすると結果は次のように絶対値記号のついた式になる.



(3) 
○wxMaximaでの入力例
integrate((a*x+b)^n,x);
このとき,Is n equal to -1?と表示されるので,その表示の右に n (Yes ならy , No なら n)を入力してShift+Enterすると次の「公式」が得られる.
n=−1のときは不定積分が対数関数になるので,n=−1であるかn≠−1であるかを尋ねている.
ここで,n≠−1としても,この仮定は次の行からの入力に影響しない.
 また,この結果を得るためにはa≠0も必要であるが,こちらの方は問われない.
○結果



(4) 
○wxMaximaでの入力例
logabs : true;(←それまでに一度実行していれば省略可能.以下#1で示す)
integrate(1/(a*x+b), x);
この式ではa≠0でなければならないが,省略されている
○結果




(5) 
○wxMaximaでの入力例
integrate(1/(x^2+a^2),x);
Maximaでは逆三角関数arctanxもしくはtan−1xatan(x)と表示されるので,この式は
を表す.a≠0
○結果


(6) 
○wxMaximaでの入力例
logabs : true;#1
integrate(1/(x^2-a^2),x);
さらに,次のコマンドを実行すると,得られた式で対数を和差→積商に直すことができる(直前の出力式は単に % で表される)
logcontract(%);
この式ではa≠0でなければならないが,省略されている
○結果





●次の計算を筆算で行う場合は,部分分数分解によって行う
(7) 
○wxMaximaでの入力例
logabs : true;#1
integrate(1/((x+a)*(x+b)),x);
さらに,次のコマンドを事項すると,得られた式で対数を和差→積商に直すことができる(直前の出力式は単に % で表される)
logcontract(%);
この式ではa≠bでなければならないが,省略されている
○結果



(8)  [例] 
○wxMaximaでの入力例
logabs : true;#1
integrate((x-a)/((x-b)*(x-c)),x);
この式ではc≠bでなければならないが,省略されている
○結果

[例]logcontract(%);も実行すると
 
(9) 
○wxMaximaでの入力例
logabs : true;#1
integrate(1/(x^3-1),x);
○結果


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