== 加法定理を使った数値計算 ==

【例題1】
 sin45°, cos45°, sin30°, cos30°の値を利用して,sin15°, cos15°の値を求めてください.
(解答)
sin15°=sin(45°−30°)←加法定理
 =sin45°·cos30°−cos45°·sin30°
 
 ・・・(答)
cos15°=cos(45°−30°)←加法定理
 =cos45°·cos30°+sin45°·sin30°
 
 ・・・(答)
(備考1)
sin15°=sin(60°−45°)などを利用しても同様の結果が得られる
sin15°=sin(60°−45°)←加法定理
 =sin60°·cos45°−cos60°·sin45°
 
 
cos15°=cos(60°−45°)←加法定理
 =cos60°·cos45°+sin60°·sin45°
 
 
(備考2)
30°, 45°, 60°などの三角関数とは異なり,15°, 75°などの三角関数の値を暗唱する必要はないが,よく登場するので「見たことがある」「求め方は分かっている」程度にしておく方がよい.
【例題2】
 sin, costanの値を求めてください.
(解答)
※数学Uでは,度数法(六十分法),弧度法(単位はラジアン)の両方を習うので,三角関数の値を求める問題は,どちらの単位で出題されても答えられるようにしておくのがよい.









【正接の加法定理】






【問題1】
 sin105°, cos105°の値を求めてください.
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【問題2】
 の値を求めてください.
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【2倍角公式】
 sin2α=2sinαcosα・・・(#1)
 cos=2cos2α−1=1−2sin2α・・・(#2)
 ・・・(#3)
【半角公式】
2倍角公式のうちでcos2α=···の式を,逆に解いたものを半角公式という.
(上記の#2を変形する.(#1)(#3)からは変形しない)
 もしくは
 もしくは
 もしくは
を使う
※筆者は,自分の受験時代も含めて「半角公式は覚えない」ことにしていた.というのは,半角公式と言っても,書物によって,半角がαのもの,α/2のもの,式が±付き根号で書かれているものもあり,(各4通り計12通りもあるから体が受け付けない)
 あいまいなものなら覚えない方がましということで,「上記の二重下線の箇所を覚え」続きは試験会場で作っていた.
【問題3】
 2倍角公式・半角公式を用いて,sin22.5°, cos22.5°, tan22.5°の値を求めてください.
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【例題3】
 α, βともに第1象限の角で,のとき,sin(α+β), cos(α+β)の値を求めてください.
(解答)
αは第1象限の角で,だから
(>0)
βは第1象限の角で,だから
(>0)
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
---(答)
cos(α+β)=cosαcosβ−sinαsinβ
---(答)
【例題4】
 αは第1象限の角,βは第2象限の角で,
のとき,sin(α−β), cos(α−β)の値を求めてください.
(解答)
αは第1象限の角で,だから
(>0)
βは第2象限の角で,だから
(<0)
sin(α−β)=sinαcosβ−cosαsinβ
---(答)
cos(α−β)=cosαcosβ+sinαsinβ
---(答)

【問題4】
 αは第2象限の角,βは第1象限の角で,
のとき,sin(α+β), cos(α−β)の値を求めてください.
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【問題5】
 αは第1象限の角,βは第3象限の角で,
のとき,tan(α+β), tan(α−β)の値を求めてください.
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【昔からよくある問題】
 α=18°とすると,5α=90°すなわち2α+3α=90°となることを利用して,sin18°, cos18°を求めることができる.
 上記の18°の三角関数が分かっている場合は,その値を使って2倍角36°の三角関数も求められるが,それとは独立な問題としてsin36°, cos36°を求める問題も出せる.すなわち,β=36°とすると,5β=180°すなわち2β+3β=180°となることを利用して,sin36°, cos36°を求めることができる.
 72°についても同様
【問題6】
 α=18°とすると,5α=90°すなわち2α+3α=90°となることを利用して,sin18°, cos18°を求めてください.
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【問題7】
 β=36°とすると,5β=180°すなわち2β+3β=180°となることを利用して,sin36°, cos36°を求めてください.
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