無理式の極限 【例1】 のような数列の極限ではがどんどん大きくなろうとしているのに対して,が足を引っ張って小さくしようとしているので,「見かけ上」は の形になっています.大きくする方と小さくする方のどちらが強いのか,そのままの形では判断できません. このような形の無理式の極限を求めるには
まず,次の展開公式を思い出します
この後,初めの式はその応用として,次のように使えます 初めの例では だから このように,根号を含んだ式の「分子を有理化」すると「根号を2乗してから引く式が出てくる」ので「根号の中身の引き算ができ」ます. により,分母が無限大になるので となって,極限が求まります. 【例2】 のような数列の極限では分子のがどんどん大きくなろうとしているのに対して,分母のが足を引っ張って小さくしようとしているので,「見かけ上」は の形になっています.大きくする方と小さくする方のどちらが強いのか,そのままの形では判断できません. このような形の無理式の極限を求めるには 分子の最大項と分母の最大項を直接比較できるように,分子,分子をそれぞれの最大項でくくります. 右上に続く↑
|
ここで,根号の割り算についての次の公式を思い出します(ただし,)
この後,初めの式はこれにより,根号の中身同士が直接約分できるところがミソです により になります. のままで変形していくと,答案は次のようになります
【ここまでの要約】
(1) のような ∞−∞ の形の数列の極限を求めるには,分子の有理化を行って,根号の中身の引き算ができるようにする. (2) のような の形の数列の極限を求めるには,分子,分母をそれぞれの最大項でくくって最大項同士の約分に持ち込む. |
|