== 定積分で定義される関数(入試問題) ==
【基本1】
== 下端と上端が定数である定積分は,定数になる ==

は,定数
【例1】

のとき,kは定数)とおける.
⇒1次関数になり,定数項kを定めると関数形が求まる.
【例2】

のとき,kは定数)とおける.
⇒2次関数になり,1次の係数kを定めると関数形が求まる.
== 難易などの目安 ==
《考え方》
  ★:易しい,★★:普通,★★★:難しい
《計算量》
  ☆:少ない,☆☆:普通,☆☆☆:多い
(★,☆)
【例題1】 次の等式を満たす関数f(x)を求めよ.

(2021年度東京都市大学情報工学部)
(※この問題は,数学Uの範囲で解ける)


とおける



したがって
・・・(答)

(★,☆)
【問題1-1】 
を満たす関数はf(x)=  である.
(2000年度関西大工学部)
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(★,☆☆)
【問題1-2】 
(1) 定積分を求めよ.
(2) で定義された関数f(x)

をみたすとき,f(x)を求めよ.
(2018年度横浜国立大理工学部)
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(★,☆☆)
【例題2】 
を満たす関数f(x)を求めよ.
(2015年度福島県立医科大)
被積分関数sin(x−t) f(x)xtを分離するために,三角関数の加法定理を使うことができる
三角関数の加法定理により



ここで

a, bは定数)とおくと


の形に書ける.
定数a, bの値を求める.


三角関数の2倍角公式(⇔半角公式)により





・・・(#1)




・・・(#2)
(#1)(#2)から
・・・(#1)
・・・(#2)
(#1)を(#2)に代入する




(#2)に代入



・・・(答)

(★,☆☆)
【問題2-1】 
等式を満たす関数f(x)を求めよ.
(2015年度愛知教育大)
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(★,☆☆)
【問題2-2】 
 aが実数の範囲を動くとき,定積分

の最小値を求めよ.また,そのときのaの値を求めよ.
(2017年度信州大理学部)
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【基本2】
(1)

(2)
(解説)
(1) 「積分区間の上端」と「微分する変数」が同じ文字xのとき,文字が入れ替わってxの関数になる.

f(t)の1つの原始関数をF(t)とするとき

だから


(2)




【例3】

【例4】
積分変数txを分離してから微分する


後は「積の微分法」に従って,xの関数として微分する


(★,☆)
【例題3】 
 関数について,次の問い
に答えよ.
(1) 関数f(x)の導関数を求めよ.
(2) の範囲におけるf(x)の最大値を求めよ.
(2021年度福岡大工学部)
(1)





(2)
原式から・・・(#1)
また,(1)の結果から
・・・(#2)
(#1)(#2)より



x・・・π
+
f(x)mM
・・・(最大値)

(★,☆☆)
【問題3-1】 
とおく.
(@) 導関数および第2次導関数を求めよ.
(A) 0≦x≦πにおけるF(x)の最大値と最小値を求めよ.
(2009年度同志社大文化情報学部.一部引用)
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(★,☆☆)
【問題3-2】 
(1)であるので,
のとき,(2)である.
(2015年度神奈川大理・工学部)
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(★,☆☆)
【問題3-3】 
 関数を最大とするようなxの値を求めよ.
(2009年度日本女子大理学部)
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(★,☆☆)
【問題3-4】 
 関数f(x)は微分可能で
を満たすものとする.次の問いに答えよ.
(1) を求めよ.
(2) を求めよ.
(3) を求めよ.
(2017年度埼玉大理・工学部)
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(★,☆☆)
【例題4】
・・・@
を満たす関数f(x)と定数kを求めたい.
x−t=uとおいて@の左辺を書き直すと,

となる.両辺をxで微分して整理すれば,
・・・A
を得る.ここで,x=0とおくことにより,k=が得られ,さらに,Aの両辺をxで微分することにより,f(x)=となる.
(2009年度東海大理・工学部)
x−t=uとおく置換積分により

t=x→u
t0→x
ux→0
このとき




両辺をxで微分すると
・・・A'
x=0とおくと


さらにA'の両辺をxで微分すると
(★,☆☆)
【問題4-1】
 すべての実数xに対して

をみたす連続関数f(x)がある.
(1)
を示せ.
(2) f(x)を求めよ.ただし,関係式をみたすCは任意定数)である.
(2000年度芝浦工大)
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