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=傾きや曲線外の1点が与えられたときの接線の方程式=
(1) 楕円

の接線のうちで,傾きがmに等しい接線の方程式は
・・・(1)
(2) 双曲線

の接線のうちで,傾きがmに等しい接線の方程式は
・・・(2a)

の接線のうちで,傾きがmに等しい接線の方程式は
・・・(2b)
(3) 放物線

の接線のうちで,傾きがm (≠0)に等しい接線の方程式は
・・・(3)
(証明)
(1)←
求める接線の方程式をとおき,連立方程式
・・・(1)
・・・(2)
x座標について重解をもつように,判別式についてD=0となる条件を求めるとよい.
(2)を(1)に代入すると






ここでだから

・・・(1)証明終■

(2a)←
求める接線の方程式をとおき,連立方程式
・・・(3)
・・・(4)
x座標について重解をもつように,判別式についてD=0となる条件を求めるとよい.
(4)を(3)に代入すると






ここでだから

・・・(2a)証明終■
(2b)も,同様にして証明できる.
(3)←
求める接線の方程式をとおき,連立方程式
・・・(5)
・・・(6)
x座標について重解をもつように,判別式についてD=0となる条件を求めるとよい.
(6)を(5)に代入すると



ここでだから
・・・(3)証明終■

【例題1.1】
 楕円の接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
公式(1)にを代入すると
・・・(答)
※公式を覚えていなくても,判別式を使って自分で計算すれば数分でできる.
【例題1.2】
 楕円の互いに垂直な2つの接線の交点の軌跡を求めてください.
(解答)
の傾きmの接線の方程式をとおくと,(1)の公式により
・・・@
が成り立つ.@を満たす2つのmの値を,m1, m2とすると,m1, m2は,mに関する2次方程式

の2つの解になる.
・・・A
A式が異なる2つの実数解m1, m2をもつとき,解と係数の関係から
ア)座標軸に平行な接線があるときは,接線の方程式は,で,交点の座標は
イ)座標軸に平行な接線ではないとき,交点のx座標はx≠±3



ア)はイ)の円上のx=±3となる除外点を埋めているから,結局,の円全体が軌跡になる.・・・(答)


【例題1.3】
 楕円と傾き2の直線が異なる2点で交わるとき,2交点の中点の軌跡を求めてください.
(解答)
 連立方程式
・・・(1)
・・・(2)
が異なる2つの実数解をもつように,交点のx座標の判別式についてD>0とする.
 (2)を(1)に代入すると


・・・(3)


 異なる2点で交わるのは
・・・(4)のとき
 このとき,2交点の座標を,その中点の座標をとおくと,(3)の解と係数の関係から
・・・(5)
・・・(6)
(5)(6)から求める軌跡の方程式は

ただし,(4)から,

の範囲・・・(答)
【例題1.4】
 点(3, 4)から楕円に引いた接線の方程式を求めてください.
(解答)
 接点(3, 0)で接する接線x=3は題意に適する.
 x軸に垂直でない接線の方程式を,(1)を使って,とおくと,この直線が点(3, 4)を通るには





求める接線の方程式は


 これらのうちで,は点(3, 4)を通るが,は点(3, 4)を通らない.
・・・(答)

【例題1.5】
 楕円上の1点から,直線y=2x+6に降ろした垂線の長さの最小値を求めてください.
(解答)
傾き2で楕円に接する接線の方程式をとおく.この直線上の適当な点,例えば(0, 5), (0, −5)と直線y=2x+6 ⇔ 2x−y+6=0の距離を,公式

のよって求めると


となるから,最小値は・・・(答)
【例題2.1】
 双曲線の接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
公式(2a)を使うと
・・・(答)

【例題2.2】
 双曲線と直線y=2x+kが共有点をもつような定数kの値の範囲を求めてください.
(解答)
 連立方程式
・・・(1)
・・・(2)
が実数解をもつように,判別式を用いてkの値の範囲を求める.
 (2)を(1)に代入すると


・・・(3)



または・・・(答)
【例題2.3】
 点(2, 4)から双曲線に引いた接線の方程式を求めてください.
(解答)
 まず,x軸に垂直な直線x=2が接線であることが明らか.
 それ以外のy=mx+kの形の接線は,公式(2a)から

または
と書ける.この接線が,点(2, 4)を通るから

ア) かつm≧2,すなわち,m≧2のとき

の両辺を2乗すると



となって,条件を満たさない
イ) (または)かつm<2,すなわち,またはのとき

の両辺を2乗すると



となって,条件に適する.


以上から,・・・(答)

(別解)
接点の座標を(s, t)とおくと,接線の方程式は
・・・(1)
この直線が点(2, 4)を通るから
・・・(2)
また,(s, t)は双曲線上にあるから
・・・(3)
(2)(3)を連立方程式として解くと[途中経過は各自で確かめてください]
および
これらを(1)に戻すと
・・・(答)
【例題2.4】
 双曲線上の任意の点Pにおける接線が2つの漸近線と交わる点をQ, Rとするとき,PQ=PRとなることを証明してください.
(解答)
 接点をP(s, t)とおくと,接線の方程式は
・・・(1)
ただし,接点P(s, t)は双曲線上にあるから
・・・(2)

・・・(2’)
が成り立つ.
 (1)と漸近線の方程式
・・・(3)
・・・(4)
との交点の座標を求める.
(1)(3)から
・・・(1)
・・・(3)
(3)を(1)に代入


・・・(5)
・・・ (2’)により分母は0にならない.
これをQx座標とする.
同様にして,(1)(4)から
・・・(1)
・・・(4)
(4)を(1)に代入


・・・(6)
・・・ (2’)により分母は0にならない.
これをRx座標とする.
(5)(6)からQ, Rの中点のx座標を求めると


ところで,(2’)から

だから,結局

が成り立つ.直線であるから,Q, Rの中点のx座標がPx座標に等しければ,y座標についても成り立つ.
 以上により,PQ=PRが成り立つ.・・・証明終■
この問題では,双曲線について示したが,この性質は一般の双曲線についても示せる.

【例題2.5】
 双曲線上の1点から直線y=x+1に降ろした垂線の長さの最小値を求めてください.
(解答)
公式(4.2a)により,の接線のうちで,傾きが1に等しい接線の方程式は

(これらは右図のABに対応する)
右図@に対応する直線y=x+1からAまたはBまでの最短距離を求めるとよいが,Aの方が短い.
そこで,y=x+1上の適当な1点,例えば(0, 1)から直線までの距離を求めると
・・・(答)
【例題3.1】
 放物線の接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
公式(3)において,p=2, m=2とすると
・・・(答)

【例題3.2】
 放物線の接線で傾きが2に等しいものの方程式を求めてください.
(解答)
公式(3)において,p=2, m=2とすると
・・・(答)
【例題3.3】
 放物線と傾き2の直線が異なる2点で交わるとき,2交点の中点の軌跡を求めてください.
(解答)
 連立方程式
・・・(1)
・・・(2)
が異なる2つの実数解をもつように,判別式を用いてkの値の範囲を求める.
 また,そのとき,解と係数の関係を用いて,2交点の中点の座標を求める.
 (2)を(1)に代入する

・・・(3)
(3)について,判別式が正となる条件は

・・・(4)
 また,(3)について,解と係数の関係から,2交点の中点の座標は
・・・(5)

 なお,(4)(5)から,
 以上により,・・・(答)
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